PET first −まずPET検査を−

PET検査
「がん」に対しては、早期発見・早期治療が最も有効です。PETは「がん」の早期発見・早期治療において有用な情報を得ることができる検査です。米国においてもがんの疑いがあったらまずPET検査をというほどPET検査は普及しています。
PETは、がん細胞が多くのブドウ糖を消費する性質を利用した検査法です。ブドウ糖に似たくすりを体内へ注射し,その集まり具合を画像化し、がんを診断します。
PET/CTは、PETとCTを組み合わせた検査法で、従来のPET検査単独よりもさらに正確な診断が可能になっています。
岡山画像診断センターでは、高感度の検出器を備えたPETと16列マルチスライスCTを融合したSIEMENS社製PET/CTスキャナbiograph LSO/Sensation 16を2台導入し、機能画像と形態画像を融合した高精度な検査・診断を行っております。

PET/CT検査の有用性

がん細胞
がん細胞はエネルギー源として多くのブドウ糖を必要とします。PET検査ではこの性質を利用してブドウ糖を身体の外から見えるようにしたくすりを注射し、全身の細胞のブドウ糖代謝を画像化します。くすりが異常にたくさん集まっているところを、がんと診断します。
イメージ
  • がんの早期発見
  • 良性・悪性腫瘍の識別検出および進行度の診断
  • 治療方針の決定
  • 治療効果の判定
  • 予後のケア

苦痛を伴わず、一度の検査で全身スクリーニングが可能な検査です。今、初期のうちにがんを見つけて治療を行えば、がんが治る時代であり、初期のうちに見つけることで治療の際も体への負担がより少なくなります。
一般の集団検診と比較して10倍以上の感度があるとの報告もされ、また、安全性にも優れているため、がん医療の頼もしい味方として威力を発揮します。

PET/CT検査の有用性

1.PETって何?
PETとは、ポジトロンエミッショントモグラフィーの略で、一般的には「ペット」と呼ばれています。体内に注射されたくすりがポジトロン(陽電子)を放出し、これによって作られるγ(ガンマ)線を「PET装置」で撮影します。PET検査に使用されるくすりは全てポジトロンを放出するものが用いられています。
2. ポジトロンって何?
ポジトロン(陽電子)とは、プラスの性質をもった電子のことです。通常、電子はマイナスの性質をもっていますが陽電子はプラスの性質をもっているため、通常の電子と引きあい衝突します。この結果エネルギーとして2本のγ(ガンマ)線を放出されます。
PET検査では、この最終的に放出された2本のγ(ガンマ)線を検出しています。
3. PET検査で使うくすりは?
18F-FDG(フッ素-18 フルオロデオキシグルコース)という、ブドウ糖によく似たくすりを使用します。くすりのもつ放射能は110分ごとに半分になり、くすり自体も尿より排泄されるため、翌日にはほとんど放射線も出なくなり、体に残らず安全です。また、18F-FDGはブドウ糖を基本としているので副作用はほとんどありません。
4. PET検査のくすりはどうやって作る?
PET検査用のくすりは寿命がきわめて短いので、施設内の特別な設備で作ります。まずサイクロトロンと呼ばれる装置でポジトロン(陽電子)を製造し、できたポジトロン(陽電子)にブドウ糖をつけて目的のくすりを作ります。
その後、人に投与するための厳しい検査に合格してはじめてくすりが完成します。
サイクロトロンの操作は専任のオペレーターが担当し、くすりの製造は専任の薬剤師が担当しています。
5. 腫瘍の良・悪性がわかる?
がん細胞は正常細胞よりも代謝が活発です。
そのため、がん細胞はエネルギー源としてブドウ糖をより多く消費します。体内に注射されたくすりは、ブドウ糖と同じように代謝が活発なところへより集まります。つまり、くすりがたくさん集まったところは悪性(がん)の疑いが強いといえます。
6. PET/CT検査でわかりやすいがん、わかりにくいがんは?

わかりやすいもの:頭頚部がん、甲状腺がん、食道がん、肺がん、乳がん、膵がん、大腸がん、子宮がん、卵巣がん、悪性リンパ腫、悪性黒色腫 など

わかりにくいもの:早期胃がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん、肝臓がん など

※すべてのがんに万能ではないことをご理解ください。PET/CT検査はがんの検査に大変有用ですが、検査の特性や病気の特徴をよく知った上で、他の検査と組み合わせることでより正確な診断が可能となります。

7. PET/CT検査はがんの早期発見の切り札になる?
確かにがんの早期発見に大変役に立ちます。
従来だと、胃がんの検査、大腸がんの検査、肺がんの検査など部位毎に別検査が必要でしたが、PET/CT検査は一度に全身の検査が出来ます。
また、従来行われているがん検診に比べて、PET/CT検査ではがんの発見率が高く、受診者の1~2%程度にがんが発見されています。
しかし、すべてのがんを発見できるわけではありませんので、ほかの検査法と組み合わせることも必要です。
8. PET/CT検査にかかる時間は?
くすりを注射して、90分間安静にしていただきます。その後、20分程度かけて撮影を行います。問診から会計まで全体で3時間程度かかります。
9. PET/CT検査の被ばくは?
PET/CT検査では、放射性薬剤を使いますので、わずかながら放射線被ばくがあります。実際には、18F-FDGを使った検査であれば、1回で約2.2mSvの被ばくがあり、これにCT検査による被ばく約3mSvが加わり、全体で約5.2mSvの放射線被ばくとなります。
胃のバリウム検査が約3.5mSv、大腸のバリウム検査が約8mSv、自然界からの放射線が年間約2.4mSvです。PET/CT検査による被ばくが特別高いものではないことがわかります。
10. PET/CT検査の被ばくで身体に影響はないの?
PET/CT検査による被ばくで、身体に影響はありません。がんの発生確率は放射線の被ばく線量に比例しますが、検査が原因でがんが発生したという実例はなく、検査による被ばくが原因でがんの発生率が高くなったということもありません。