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2011年01月の記事

脳梗塞急性期について

【 岡山大学病院神経内科 出口健太郎先生 】
1965年をピークとして、脳卒中自体の発生数は一時的に減少したが、1990年より下げ止まっており、逆に高齢化社会の進行に伴って、脳梗塞患者数は年々増加を続けている。一般に脳の血流が22〜23ml/100g/分より低下すると、脳細胞は機能的障害に陥り始め、やがて時間経過とともに不可逆性の梗塞壊死に陥ってしまう。したがって、脳梗塞治療の基本戦略は、血流改善療法と脳保護療法の2点であり、前者においては、この10数年間に、血流改善療法としてオザグレルNaやアルガトロバン、さらには、梗塞発症3時間以内でのアルテプラーゼ(tPA)による血栓溶解療法が登場してきた。一方で、後者においても飛躍的な病態解明を受けて、脳卒中の臨床現場には新しい脳保護療法、すなわちフリーラジカルスカベンジャー・エダラボンが登場し、現在ではほとんどの脳梗塞患者で使用されている。
また、これらの治療は、できるだけ早く開始されることが重要であり、そのためには、短時間で正確に脳梗塞急性期の診断がなされることが求められ、これまで、CT、MRIなど、各種画像検査の進歩にも支えられてきた。
今回の勉強会では、脳梗塞急性期のアルテプラーゼ血栓溶解療法の実際、エダラボン治療の現状、今後認識しておいたほうがよい画像検査、脳梗塞と間違いやすい疾患・病態の検討について議論し、さらに今後求められる脳梗塞急性期の診断技術・治療法の展望を考えていきたい。