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2012年05月の記事

慢性膵炎の診断と治療

【 川崎医科大学総合内科学2 河本博文先生 】
慢性膵炎の本態は炎症の持続によるによる膵の非可逆的な線維化と膵の実質の破壊である。臨床的には持続,反復する腹痛で始まり,やがて,進行すると、膵機能不全が出現し、膵外分泌不全としての消化吸収障害,膵内分泌不全としての糖尿病を来たす.慢性膵炎の成因は、大きくアルコール性と非アルコール性の2つに分けられていて、病態のメカニズムはよくわかっていないものの、完成した慢性膵炎では行き着く姿は成因にかかわらず同じである。また、慢性膵炎の診断はなかなか難しく、確定診断できるものは典型的画像や典型的組織像を伴うもので、すでに膵の機能不全をきたしている症例である。したがって早期診断を行うに足りる特別な所見というものはなく、反復する腹痛患者から、血液生化学や画像の所見をもとに組み合わせて診断していく。治療は、原因の除去と膵酵素の補充を主体に行っていくが、主膵管狭窄や膵石に伴う腹痛や仮性嚢胞では内視鏡的、あるは外科的治療が必要となる。特に内視鏡治療は低侵襲であるため外科的治療を行う前に一度は行ってみる治療と考えられる。最近の慢性膵炎に対する内科的治療一般について述べる予定です。