冠動脈CTは64列CTおよび次世代CTが普及してきたことにより、多くの施設で冠動脈を安定して正確に評価することができるようになり冠動脈疾患あるいはそれが疑われる患者の管理において重要な位置を占めるようになってきた。冠動脈CTの普及に伴い、その有効性や活用法に関するガイドラインがいくつか発表されている。代表的なものとして日本では2009年に日本循環器学会により発表された「冠動脈病変の非侵襲的診断法に関するガイドライン」があり、欧米では2010年に米国心臓病学会などによる心臓CTに関するACCFガイドラインが発表された。本講演では、これらのガイドラインに基づいて冠動脈CTの各病態における有効性や虚血性心疾患における冠動脈CTの現在の位置づけなどについて述べる予定です。