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2013/10/04
画像にでないめまい
ゆうえん医院 結縁先生
2013/07/11
膝外傷における画像診断
川崎医科大学・スポーツ外傷整形外科学 阿部信寛先生
2013/05/09
腎癌の凍結療法について〜IVRセンター開設のご案内とともに〜
岡山大学病院放射線科 郷原英夫先生
腹部の記事

腎癌の凍結療法について〜IVRセンター開設のご案内とともに〜

【 岡山大学病院放射線科 郷原英夫先生 】
本年3月18日に岡山大学病院内の総合診療棟1階に新たにIVRセンターがオープンしました。放射線科はそのうち「がん・総合部門」を受け持っていますが、今回は近年導入された小径腎癌に対する凍結療法についてご紹介したいと思います。凍結療法の歴史は長いですが、深部の腫瘍に対する治療が行えるようになったのは最近です。当院では従来腎癌に対してラジオ波焼灼術を行っていましたが、一昨年7月に保険収載され、昨年4月に機器が導入されてからは全面的に移行しています。IVRセンターのご紹介とともに凍結治療の原理、初期経験などを画像なども交えてお話しします。



(図説:上図は、皮膚面から突出したニードルに霜がついています。下図は治療中のCTで、腎がんがアイスボール(黒い部分)により囲まれており、治療が成功している様子です。)

消化器内科からみた大腸CT検査の現状とこれからの課題

【 川崎医科大学・消化管内科学 松本啓志先生 】
食の欧米化、運動不足などにより本邦の大腸癌(colorectal cancer;CRC)罹患率・死亡率は上昇しており、そのサーベイランスは重要な課題である。本邦におけるCRCの診断は大腸内視鏡検査がゴールドスタンダードであるが、海外ではMulti detector-row Computed Tomography (MDCT)用いた大腸CT検査(CT コロノグラフィー)の有用性も認められている。
 本邦でも最近、多施設共同研究による内視鏡検査との精度比較(Japan National CT colonography Trial: JANCT)の結果が報告され、さらには大腸CT検査が保険適応となり、ますます今後検査が普及する動きを見せている。しかしながら、まだ普及するには問題点も多い。
 そこで、本講演では現時点での本邦における大腸CT検査の現状とこれからについてお話させていただく予定です。

慢性膵炎の診断と治療

【 川崎医科大学総合内科学2 河本博文先生 】
慢性膵炎の本態は炎症の持続によるによる膵の非可逆的な線維化と膵の実質の破壊である。臨床的には持続,反復する腹痛で始まり,やがて,進行すると、膵機能不全が出現し、膵外分泌不全としての消化吸収障害,膵内分泌不全としての糖尿病を来たす.慢性膵炎の成因は、大きくアルコール性と非アルコール性の2つに分けられていて、病態のメカニズムはよくわかっていないものの、完成した慢性膵炎では行き着く姿は成因にかかわらず同じである。また、慢性膵炎の診断はなかなか難しく、確定診断できるものは典型的画像や典型的組織像を伴うもので、すでに膵の機能不全をきたしている症例である。したがって早期診断を行うに足りる特別な所見というものはなく、反復する腹痛患者から、血液生化学や画像の所見をもとに組み合わせて診断していく。治療は、原因の除去と膵酵素の補充を主体に行っていくが、主膵管狭窄や膵石に伴う腹痛や仮性嚢胞では内視鏡的、あるは外科的治療が必要となる。特に内視鏡治療は低侵襲であるため外科的治療を行う前に一度は行ってみる治療と考えられる。最近の慢性膵炎に対する内科的治療一般について述べる予定です。

膵の嚢胞性腫瘤の診断と管理〜そのIPMNはfollowで良いですか?

【 岡山済生会総合病院画像診断センター長 戸上泉先生 】
2009年の我が国の膵癌の死亡者数は男性は14094人で第5位、女性は12697人で第4位です。膵癌の早期発見は困難といわれていますが、近年、リスクファクターが次第に明らかになり、そのなかでもIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)はそれ自体悪性のポテンシャルがありますが、通常型膵管癌の合併頻度も高く、膵癌の前癌病変として注目されています。本講演では膵癌診療ガイドライン(2009年版)、IPMN/MCN国際診療ガイドラインに沿って、IPMNの診断と管理、膵嚢胞性病変の種類と鑑別点 について当院での症例を中心に述べる予定です。
また、当院で昨年より開始している地域連携支援システムによる診療情報の共有化プロジェクト:なでしこネットについてもご紹介する予定です。

左図:主膵管型IPMNのMRCP    右図:IPMNに合併した膵癌