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2011年04月の記事

認知症診療における画像診断の役割〜最新の知見も含めて〜

【 岡山画像診断センター 井田健太郎先生 】
現在、65歳以上の高齢者のほぼ12人に1人、約240万人が認知症であると推定されており、今後も右肩上がりに増加するのは確実な状況である。このような背景もあり認知症は‘がん’と同様にその予防や早期診断、治療や介護、社会環境の整備など、社会全体で取り組むべき大きな問題として認識されつつある。
認知症をもたらす疾患は多岐にわたる。それらのうち慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症といった治療可能な疾患を確実に診断し、早期に治療を開始するという観点から画像診断は認知症の診断プロセスに必須である。また特にMRI所見が認知症を惹起する稀な疾患を疑う契機になることも少なくない。
近年の飛躍的な研究成果から、アルツハイマー病の分子レベルおける発症機構は次第に明らかになり、治療に関してもコリンエステラーゼ阻害薬の登場により大きく進展した。この治療薬の効果を最大限に発揮するためには、より早期に治療を開始する必要があり、また将来的には根本的治療薬も登場すると期待されており早期診断の重要性がますます強調されている。以下の画像診断技術、すなわちβアミロイドを画像化するアミロイドPET、糖代謝を画像化するFDG-PET、脳血流を画像化するSPECTや軽微な脳萎縮を検出する高精度MRIを用いた脳容積測定法などが、この早期診断や病態の推移を評価する上で、重要かつ客観的なサロゲートマーカーとして大きな役割を担うと考えられている。
本講演ではアミロイドカスケード仮説に即して、これらの画像診断技術ついて概説し、その役割と今後の展開について述べる。